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タイ人求職者の語学スキルをはかるには?(日・英・中)

自社がタイでビジネスを展開している場合、従業員とのコミュニケーションにおいて、どの言語を使用するかは重要な課題です。また、取引先との外部コミュニケーションでも、外国語が必要になる場面があります。そのため、多くの経営者が採用時に語学スキルを重視しています。

この記事では、各言語の資格試験についての解説と、面接時に語学力を確認する方法についてご紹介します。

 

英語


タイでも、日本と同様に就職時の英語資格としてTOEICがよく利用されています。バンコクでは、毎月1回のペースで公開テストが行われています。TOEICは990点満点の試験で、700点以上であれば英語の基礎があるとみなされます。ただし、TOEICは主に読解と聴解を重視した試験であり、会話力は別途確認する必要があります。

日本人とタイ人が英語で会話する際に、お互いのアクセントに慣れていないためにコミュニケーションがうまくいかないというケースがよく見られます。アクセントに関しては、お互いが慣れ親しむことと、時間をかけてお互いを理解する努力が必要です。

タイ語を母国語とする人々には、外来語の末尾が高くなる、SHとCH、VとWの発音の区別がないといった特徴があります。同様に、日本人の英語のアクセントに慣れていないタイ人も多く存在します。したがって、互いに歩み寄りながら理解していきましょう。

 

日本語


履歴書での日本語能力をチェックする際には、日本語能力試験(JLPT)が一般的に利用されます。JLPTは以下のように5段階のレベルに分かれており、タイ国内では年に2回の試験が実施されます。

N1 幅広い場面で使われる日本語を理解することができる
N2 日常的な場面で使われる日本語の理解に加え、より幅広い場面で使われる日本語をある程度理解することができる。
N3 日常的な場面で使われる日本語をある程度理解することができる。
N4 基本的な日本語を理解することができる。
N5 基本的な日本語をある程度理解することができる。

タイ人にとって、ビジネスの場面で日本語を使うにあたり、取得が期待されているのはN3以上。タイ人にとっては、漢字など文字の面で苦労するため、N3以上を取るには相応の努力が必要になります。

ただし、TOEICと同様JLPTも読解・聴解を測る試験であるため、会話力があるかは別途確認しなければなりません。N2以上の方でも会話がうまくできない人はいますし、逆にN3でも、読み書きは苦手ですが、日本人との実践的な会話の経験があり、会話が得意な人もいます。

日本語の読み・書き・話す・聞くの能力を全て完璧に兼ね備えた人を探すことはなかなか難しいです。これらの能力のうち、業務の中で必要となる能力は何なのかをはっきりさせたうえで、選考をする必要があります。

 

中国語

 

中国語の資格として有名なのは、中国政府が認定するHSKです。HSKには、筆記とリスニングの試験があり、1級から6級までのレベルが存在します。その中で最も難易度が高いのは6級です。2022年からは、スピーキング能力も測定する、さらに高度な7級から9級が追加されました。各級のレベル判定は以下の通りです。

6級 意見などを口頭や書面で表現
5級 中国語でスピーチできる
4級 中国語を母語とする者と話せる
3級 基本的なコミュニケーション
2級 初級中国語の上位レベル
1級 日常中国語の応用能力を判定

タイ人がビジネスで中国語を使用する能力を評価する際には、4級以上が目安となります。一方、日本人の場合は5級以上が目安ですが、タイ人は漢字に関する課題があるため、4級以上を目指すことが一般的です。

HSKは主に聴解・読解・作文を評価する試験であり、会話力は別途確認する必要があります。ただし、タイ語と中国語の文法は類似しており、両言語が声調を持つことから、タイ人にとって中国語の会話力を向上させるのは日本人よりも容易です。そのため、HSKの級を持っていなくても、または級が低くても、実際の会話能力が高い場合もあります。

面接で語学力をチェックするには

まず、面接前に、求める語学力のレベルを明確にすることが必要です。候補者が聞く・読む・話す・書くという4つの技能をどれだけ備えているかを完璧に求めるのは難しいため、重視するスキルや使用する状況を明確に定義する必要があります。また、候補者に対して、語学をどのような状況で使用するかを伝えることが重要です。具体的な言語使用の場面を伝えることで、候補者自身が対応できるかどうかを判断できます。

さらに、上記からは資格試験だけでは会話能力を確認するのが難しいということが理解されたと思います。では、面接においてどのように会話能力を確認するのが適切でしょうか。以下に、3つの方法をご紹介します。

①誰とどのような場面で該当言語の使用経験があるのかを確認する
職務経験者の場合、仕事で該当言語を使用した経験について、どのような場面で、誰と使用したか、頻度を確認します。

新卒者には、インターンシップや語学研修などで該当言語を使用した経験について詳細に尋ねてみましょう。

②面接時に該当言語で話す

実際のコミュニケーションで使用する言語を、面接で必ず使います。ネイティブスピーカーとのコミュニケーションが必要な場合は、その言語のネイティブスピーカーと対話してもらうことが理想です。

面接では緊張が高まり、本来の言語力が発揮できない場合があるため、求職者がリラックスできるように心がけ、アイスブレイクを行いましょう。

実際に使う場面に近づけてシミュレーションしてみる
単に話すだけでは、日常会話や自己紹介などの範囲を超えるのが難しいため、ビジネスシーンを想定してシミュレーションを行います。特に、新卒者や経験の浅い候補者に対して、ポテンシャルを測るためにも有効です。

電話ロールプレイ

例:面接官が顧客の立場になり、電話をかけるシナリオを想定します。発注内容の変更やアポイントメントの日程変更などの場面を設定し、実際のやり取りを模擬します。

メールコミュニケーションのロールプレイ

例:求める内容を口頭またはメールで伝え、求職者にメールを作成させます。日本語の場合、依頼メールの文章を音読してもらい、漢字の読みや理解度を確認します。2往復程度のメールのやり取りを行います。このプロセスはオンライン会議ツールを使用し、求職者の画面共有を通じてタイピング速度なども確認します。

以上が、語学試験の解説と面接時の確認方法です。パーソナルコンサルタントでは、英語と日本語の両言語について、面接での会話を通じて求職者の言語力を評価し、その結果を履歴書に記載することで、より具体的な情報を提供していますので、参考にしてみてください。

タイ二ッポンフェローシップは、日本に行きたいタイ人材の紹介事業を行っております。

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